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2026.05.14
目次
「英語があったら…」と思ったことはありますか
ハローワークで相談を受けていると、こういう声をよく聞きます。
「求人票に英語って書いてあると、もう最初から外しますよね。」
気持ちはわかります。
でも、その一行を見た瞬間に選択肢から消してしまう。この「機会損失」が、本当にもったいないと思っています。英語があれば応募できたはずの仕事、挑戦できたはずのキャリア。それが「苦手意識」という思い込みだけで、最初から消えていく。
私がカタカナ英会話を広めている理由の一つは、まさにここにあります。
企業が求めているのは、英語力じゃない
採用担当者と話していると、よく驚かれることがあります。
「先生、うちはTOEICとか別に気にしてないんですよ。」
じゃあ何を見ているんですか、と聞くと、だいたい同じ答えが返ってきます。
「外国人のお客さんが来たとき、逃げない人が欲しいんです。笑顔で『Hello!』って前に出られる人。それだけで十分なんですよ。」
これが今の日本企業の本音です。宿泊・観光業はもちろん、製造業や物流の現場でも、地方の飲食店や小売店でも、英語に対して「物怖じしない姿勢」を持つ人材は喉から手が出るほど求められています。
少し英語で対応できるだけで、店長候補やエリアマネージャーの道が開けた、という話も珍しくなくなってきました。給与や役職にも、じわじわ差が出始めています。
求職票に「英語」と書かれていたとき、あなたはその先を読みましたか。
英語を勉強するのは、やめてください
セミナーの最初に、必ずこう言います。
「英語を勉強するのはやめて、楽譜通りに音を出す練習をしましょう。」
日本人が英語を話せない本当の理由は、単語や文法を知らないからではありません。「音の出し方」が違うからです。英語には日本語にないリズムとイントネーションがあって、それを聞いたことのない脳は、知っている単語を並べても正しく音が出せない。
カタカナ英会話では、大・中・小の3つの大きさのカタカナを使って、そのリズムを目で見てわかるように表します。書かれたカタカナを読むだけで、ネイティブのイントネーションに自然と近づいていく。
「地図のない山登り」をしていたところに、「最短距離のカンニングペーパー」を渡す感じ、と言えば伝わるでしょうか。
文法は一切やりません。まず「音が通じる快感」を体験してもらうことが先です。
1dayセミナーは何をするのか
午前中は、英語が通じない「本当の原因」を解明するところから始まります。これまでの英語学習のどこで詰まっていたのかが、だいたい受講者自身にもわかるようになります。そのうえでカタカナを使って、ネイティブのリズムを脳に上書きしていきます。
午後は、ひたすら実践です。接客での挨拶、案内、確認、感謝——職場で明日から使える鉄板フレーズを、体に染み込むまで声に出して練習します。
セミナーの中盤あたりに、私が毎回楽しみにしている瞬間があります。
受講者が初めて、講師に自分のカタカナ英語を通じさせた瞬間です。
一瞬キョトンとして、それからパッと顔が明るくなる。「え、今のだけでいいの?」という驚きが、そのまま自信に変わっていく。あの表情の変化は、何度見ても飽きません。
受講後には、カンペ小冊子と動画マニュアルをお渡ししています。これは「覚えるため」のものではありません。就職後に外国人のお客さんが目の前に現れたとき、ポケットからサッと出して読めばいい。「忘れても大丈夫」という心の余裕こそが、自然に話せるようになるための土台になるからです。
40代の事務職だった彼女が、ホテルのフロントで輝いている
忘れられない受講者がいます。
40代で、長年事務職をされてきた女性です。転職活動中にカタカナ英会話を知って、「どうせ難しいんでしょ」と半信半疑で参加してくれました。
受講後、彼女は履歴書にこう一行足しました。
「カタカナ英会話で、外国人への基本接客が対応可能です。」
その一行が、採用担当者の目に留まった。観光地の宿泊施設のフロント職に採用が決まって、今は「英語ができるスタッフ」として職場で頼りにされています。
後日、やりがいを感じながら働いているという連絡をもらいました。
前職とは全く違う業界です。「英語が苦手な事務職」が、たった一行の追記で、新しいキャリアの扉を開けた。この話は、今でもセミナーで紹介させてもらっています。
50代の男性が言った言葉が、忘れられない
もう一人、どうしても書いておきたい受講者がいます。
「自分はもう若くないから」と、受講前から何度もおっしゃっていた50代の男性です。セミナー中も、どこか遠慮がちに参加していました。
受講が終わったあと、その方が近づいてきて、こう話してくれました。
「英語は、特別な人のものだと思っていた。でも今日、自分も世界と繋がれるツールを手に入れた気がします。」
目に涙を浮かべながら。
言葉が変わると、人のセルフイメージそのものが変わることがある。この仕事をしていて、そう確信した瞬間の一つです。年齢は、本当に関係ありません。
3,000語の単語より、30語のカタカナ
接客に必要なフレーズは、思っているよりずっと少ない。
挨拶して、案内して、確認して、感謝する。この流れをカバーするフレーズは、30語もあれば現場では十分に通じます。完璧に覚えた3,000語より、いざというときに口から出る30語のほうが、企業にとってははるかに価値があります。
飲食店、ホテル、タクシー、販売、受付、製造現場のリーダー——「現場で即応」が求められる仕事であれば、ほぼすべてに対応できます。「英語が必要な場面で、逃げずに前に出る」この一点に絞っているからこそ、1日で結果が出る。
翻訳や通訳、法律の専門業務には向いていません。ただ、そうした高度な仕事を目指す方にとっても、「話す壁」を最初に崩すステップとしては有効だと思っています。
商社時代の私も、最初から話せたわけじゃなかった
商社時代に40カ国以上を巡りましたが、最初から英語が完璧だったわけではありません。現場で痛い目を見ながら、「通じれば勝ち」という感覚を体で覚えていった。伝えるための工夫を積み重ねていくうちに、世界中にビジネスの仲間ができた。
その「通じる喜び」が、今の私の全ての原動力です。
地方を回っていると、素晴らしい技術やサービスが言葉の壁一つで海外のチャンスを逃している場面に、何度も出会いました。伝え方さえ知っていれば、もっと多くの人が評価されて、豊かになれる。その「もったいない」を解消することが、私がこの仕事を始めた原点です。
今は自治体のアドバイザーとして地域の雇用活性化にも携わりながら、ハローワークのセミナーや職業訓練のカリキュラムとしてカタカナ英会話を届ける仕組み作りを進めています。「英語ができないから」という理由で、自分の可能性に蓋をする人をゼロにしたい。大げさに聞こえるかもしれませんが、本気でそう思っています。
あなたの履歴書に、一行足してみてください
最後に、一つだけお願いがあります。
次にハローワークで求人票を見るとき、「英語」という文字があっても、すぐに外さないでほしいのです。
「カタカナ英会話で、基本的な接客対応が可能です。」
この一行が書けるだけで、採用担当者の見る目が変わります。企業が本当に求めているのは、英語が完璧な人ではなく、英語が必要な場面で逃げずに前に出られる人だからです。
英語は、特別な人のためのものではありません。1日あれば、その入口に立てます。
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執筆者紹介

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長谷川 雄一朗
カタカナ英会話ジェッタ代表 / 株式会社JETTA代表取締役
愛知県名古屋市出身。明治大学法学部を卒業後、大手海運会社に勤務。半導体商社のベンチャー企業に転身すると同時に起業し、英会話スクール株式会社JETTAの代表取締役となる。貿易実務や海外展示会出展などの経験を活かしたBtoBの海外営業を得意とする。株式会社JETTAでは自身の経験を活かし、日本人の英語への苦手意識を改善し、自信を持って国内外で活躍できる人材の育成に務める。













